株式取引の心理学入門
 
株式取引の心得、初心者のための心理学入門です
 


2010年1月を表示

リスクの領域

株式投資は、当然ながらお金を取り扱う取引です。
人間はお金を扱う場合、最も保守的になります。同時に、目の前に現金があって、それで取引をする場合と、ツールを使い、インターネット上で取引をする場合とでは、リスク管理の点でかなり差が出ます。
面白い事に、電子マネーと紙幣では、全く変わってくるのです。

心理学的な見解からいうと、人間はリスクの領域をそれぞれ持っており、それには視覚的な要素が大きな意味を持つと言われています。
株式取引の場合、基本的には相手や実際のお金を見ずに取引を行います。
その場合、心理学上、保守的になりにくいのです。
なぜなら、視覚的な刺激が少ないからです。

例えば、目の前にお金があり、損をするとそれが減る、という取引を行うとします。
その場合、多くの人は保守的になるでしょう。
一方、今の主流であるネットを利用した取引の場合、大胆になる投資家が多いようです。

こういった心理学的な見地からも、株式取引の今の形態というのは、危険であり、同時にだからこそ成立するともいえます。
皆が皆保守的では、株式市場は成り立ちませんから。

また、得をしている常態と損をしている状態では、リスク領域が変化するという心理学的な見解があります。
これは、「プロスペクト理論」と呼ばれており、得をする場合には人間は理想を求めて低い確率でも大きな利益に賭けるのに対し、損をする場合には保守的になり、リスクを極力減らす方法を取ります。
これも、人間心理の大きな特徴といえます。



01/21(木) | トラックバック(0) | コメント(0) | 仕事 | 管理

板情報と投資家心理

板情報を最も重視する投資家の方は、主に二通りに分かれます。
ひとつは、株式投資に関する情報をあまり知らない人。
もうひとつは、知り尽くしている人です。

前者の場合は一番判断材料がシンプルで、実際にわかりやすいという理由で板情報を重視します。
後者の場合は人間の心理、心理学というものを熟知しており、株式投資においてそれが最も重要であるという境地に達したからと言えるでしょう。
つまり、板情報は初心者か上級者が主に重視する情報と言えます。

板情報に振り回されるのは、当然初心者の方です。
恣意的な急上昇、急降下によって、思わず買ってしまい、結果大損するというパターンはほとんど初心者の方が引っかかるかと思います。
その一方で、では上級者の方は振り回されないかというと、実はそうとも限りません。
板情報はダイレクトに人間の心理学的な面を表します。
人間心理は傾向はあっても対策はそれぞれ。その時々で、色々変化します。

例えば、現在の株価よりも少しだけ低いところに買い注文が殺到しているとします。
逆に、売り注文はほとんど出ていません。
この場合、普通は買い時では、という判断をしますよね。
少し値を下げても分厚い買い注文があるのでその後急落する可能性は低い、と思うのが初心者の方の一般的な考えかと思います。

逆に、上級者の方はこれを危険と判断します。
こういった状態で停滞している場合、一度値を落とすと一気に買い注文が引く、という事を経験上知っているからです。
しかし、結果的に必ずしもそうなるとは限らず、本当にその後株価が急上昇するケースもあります。

これはビギナーズラックではなく、普通にあり得る事なのです。
この場合は、板情報を見た初心者の方が今買えばお得だと思って買い、それをきっかけに買い注文が急に増えた、というパターンですね。
このような事もあるので、板情報は難しいのです。
株式投資において心理学上影響を与えやすいものの一つです。



01/18(月) | トラックバック(0) | コメント(0) | 社会 | 管理

板情報と心理学

株式投資において人間の心理学的な一面を最も刺激するのは、板情報ではないでしょうか。
板情報というのは、特定の銘柄の株価や出来高、現在の注文数をわかりやすく示している情報の事です。
今その銘柄はいくらで取引されていて、これまでにどれだけの取引数があり、現在どういった注文がどれだけ出されているかという情報が一目でわかります。
その為、この板情報だけを参考にして株式投資を行う人も少なくありません。
テクニカル分析の中でも、特に多いパターンです。
しかし、これははっきり行って危険極まりないと言えます。

株式投資において板情報というのは、最も重要なデータと言えます。
だからこそ、最も心理学的な面が生まれます。
例えば、買い注文が突然殺到すれば、それを見て購入を決める心理が働きます。
たびたび用いていますが、これが追従という心理状態です。

この心理は板情報を見る事で生まれますが、リアルタイムによる情報提供の場合、それがより顕著となります。
ビジュアル的に数字が伸びているところに、大きな興奮を覚えるという点がひとつ。
そして、いつその波が収まるかという不安がひとつ、それぞれ生まれるからです。
勢いを感じつつもどこか脅迫観念を覚えてしまう要因となります。
当然、売り注文が殺到した場合にも、同じような現象が生まれます。

株価の変動は、実は板情報によって支配されている部分が大きいのです。
それは板情報が心理学的に一番人間の感情を揺さぶるからです。



01/16(土) | トラックバック(0) | コメント(0) | 社会 | 管理

株購入前と購入後の心理変化

株式投資で一番顕著に心理学的動向が見られるのは、株の購入前と購入後、すなわちポジション確立前とその直後かもしれません。
株式投資では、空売りを行わない限りは株を買って初めて取引に参加できます。
つまり、買う前はどの銘柄がどんな動きをしようと、ある意味他人事です。

人間、他人事に対して基本冷静に物事を見つめられます。
心理学的にも、安定している状態といえるでしょう。
それは、例えとてもお買い得な銘柄を見つけた場合でもそうです。焦ったり興奮したりはしますが、まだこの時点では冷静なのです。

しかし一端何らかの銘柄を購入し、ポジションを確立させると、状況は一変します。
まず冷静でいられなくなります。それは、例え株価が急落しようと、急上昇しようと、同じ事です。
普通ならばここで売るだろうというタイミングでも、まだ上がるだろうという楽観的な判断を下します。
普通ならばここで売らないだろうというタイミングでも、ここから下がるかもという悲観的な判断を下します。
普通ならばここで売らないとまずいというタイミングでも、きっと元に戻るだろうという希望的観測を下します。

根っこの部分が冷静でなくなると、株式投資においてどういった状況になっても、判断力が鈍ります。
これは心理学上、致し方ないところです。

こういった他人事と自分の事との境界というのは、綺麗事では動かしようがありません。しっかりと認め、その上で慣れていくのが唯一の対抗手段です。



01/15(金) | トラックバック(0) | コメント(0) | 社会 | 管理

株価は追従で生まれる

株式投資においては、しばしば煽動などの心理学的な部分を利用したトラップが仕掛けられます。
簡単に操作できるのは、株価です。
もっとも、簡単というのは操作方法であり、それができる人は結構なお金持ちでないと無理です。

たとえば1株90円の株があったとします。
こういう株は50円未満の株のようにひとつの株価に何十万という株券が発行される状態はなく、ポツポツと売り注文が出されている事が多いです。

例えば、91円に2,000、92円に5,000、93円に8,000、94円に7,000、95円に15,000株の売り注文が出されているとしましょう。
これを全部一人が買い占めるのに掛かる金額は、およそ350万円です。

もしこの金額を持っていて、ある人がこれを短時間で買い占めたとしましょう。
株価は急に5円上がります。5%以上の上昇です。
これを見た他の投資家は、どう思うでしょう。
「急に株価が上がった。今買えばもっと上がるから得だ」と思う人がかなり多いのではないでしょうか。
その結果、この銘柄を買う人が増え、結果的には株価がさらに上昇します。

そして、ある程度上がりきったところで、先ほど91~95円で買った人が全部売ります。
37,000株が一気に売られる事になり、どんどん株価は下がります。すると、「急に株価が下がった。今売らないと大損だ」
という人が増え、株価が一気に下がります。

これが、いわゆる「仕手」というトラップの基本形です。本来は株式において禁止されている行為ですが、実質的には毎日行われている手です。
株式における、心理学的な要素を最も現している行為と言えるでしょう。いわゆる、右へならえ心理です。

株価が急に上がると、それを見た投資家は「まだ上がり続ける」という心理を持ちます。その逆も然りです。
すると数人がその心のまま、株の売買を行います。
その数人の後を追い、数十人が売買を行い、そして数百人、数千人となっていきます。
心理学上「追従」と呼ばれるその行動が株価の上昇、下落を招くのです。



01/14(木) | トラックバック(0) | コメント(0) | 社会 | 管理


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