株式取引の心理学入門
 
株式取引の心得、初心者のための心理学入門です
 


サンクス・コスト効果

株式投資は、複雑な人間心理の絡み合いによって成り立っています。それは個人レベルでも集団レベルでも同じで、個人の中であっても、様々なしがらみが存在します。

例えば、心理学的な言葉でいうと「サンクス・コスト効果」もそれにあてはまるでしょう。
サンクス・コスト効果とは、先に支払ったコストが後の選択に大きな影響を与える事を指します。
心理学上、非常に多くの人に見られる現象です。

サンクス・コスト効果を簡単に説明すると、例えば自転車がパンクしたとしましょう。
修理に持っていくと、車輪が破れているので取り替えなくては、と言われ、仕方なく3,500円払ってパンク修理とタイヤの交換を行います。
その数日後、今度はブレーキが壊れます。
一式取り替えるのに、4,000円かかると言われました。

ここで、普通であれば、自転車を買い換えるという選択が生まれます。
自転車本体は新品で12,000円。
ここで4,000円払うと、先日のタイヤ交換と含め、本体の6割以上を部品交換に費やした事になります。
それはもったいないということで、結局新品を買う事にしました。

これが、もしタイヤが傷んでいなければ、恐らくそのまま部品交換で済ませていたでしょう。
タイヤ交換とパンクで先に3,500円支払っていたばっかりに、新品を買うという選択肢が生まれたといえます。
これが、サンクス・コスト効果です。

株式取引におけるサンクス・コスト効果の代表例は、「ナンピン買い」です。
ナンピン買いとは、自分の所持している株の株価が下がった時、少しでもその株の平均購入価格を下げるために買い増しする行為です。
リスクを減らす為の増資といって良いでしょう。

しかし、ナンピン買いを行う事で、売りにくくなります。「こんなにお金をかけたんだから、今の株価じゃ売れない」
そんな心理が働くのです。心理学的に、かなり追い込まれる状況になります。
株式投資の、落とし穴のひとつといえるかも知れません。



01/21(木) | トラックバック(0) | コメント(0) | 社会 | 管理

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